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昔の機械を馬鹿にするな

日本人はだいたい昔の機械なんか相手にしない。
例えば身バレするけれど学校見学で三鷹の通信研究所の博物館にいって世界初のFAX(電送写真)を説明書きを無視し何だこいつはとバカにしていたずらしてメモ書きの台にした同級生がいる。もちろん電子科。
みんなスマートフォンを触っているが、それ単に遊び道具じゃない。スマホは人類の英知だし、それに至るまでスマホの機能の一部を一つづつ機械にして実現し、まとめ上げた歴史を知らない。

そのバックの通信網だけでも、
一対一で通信する電話の発明
電話のネットワークを工事する
交換手が最初に電話に出て、イヤホンジャックの化物で相手まで繋いでいたのをダイヤルでできるようにする
一本のケーブルで何千のも電話機をつなぐ多重通信
海底にケーブルを敷いて国際電話 今世界中のサイトは海底光ケーブルで繋がっている
電話回線でコンピューターをつなぐ 通信のやり方もIPアドレスで有名なIPプロトコルにうまくまとめた
電波で線がなくても電話できるようにする そのために新たにアンテナ基地局も多数工事 最初の携帯は「ショルダーホン」で検索すると出てくる。
ADSLや光、新しいことをやるたびに交換機を取り替えケーブルを引き直して工事
これ一つづつ地道にやってきたのが歴史なんですよ。
スマートフォンが親に危ない、長くやってはいけないといわれるのは、それは子供には手の負えない超ハイテクだから。

で、昔の機械を馬鹿にするなって、たんに注意と捉えては私は違和感がある。
それは昔の機械というのが本当に魅力があるからです。

キュニョーの蒸気車 世界で最初のエンジンのついた車のコピーがいくつかの博物館にある。
フランスで、なんと革命の前に作られた。蒸気をわかす釜がそのままついている。大砲をこれで運ぶ野望はお湯を沸かす時間、遅さ、釜のせいでハンドルが重い、あげく最初の自動車事故を起こすなど大失敗したが
実は革命後も本物が保存されており、「自動車」という概念と蒸気機関で作る発想を後の世に与えた。
この、自動車として一応動けるがそれ以上のことが全くできないあたりまさに最初の発明としか言いようがない。
とにかく迫力は満点である。
エンジンはこの頃にして複動式でミッションは2段+バックギアとは。


20秒飛ばしてみてね。これが1907年に作られたイギリスはマンチェスターにある蒸気エンジン。昔の人間もこれだけでかいものを作れた。
何がすごいってひと目でこれはすごいってわかることだよね。今の機械わけわからないから。

これはオランダにあるらしい蒸気の城。役目はいまの排水機場と同じらしい。中の機関も見ていて怖いぐらいの迫力がある。
この機関はわざわざイングランドから持ってきた。イギリスは産業革命を起こした国だからね。


イギリスにSentinelという蒸気トラックのメーカーがあった。今の車とまるで違う手作り感満載のDG8は3人で操縦してしょっちゅう石炭をくべないと動かない。坂道は踏ん張るね。動画の燃えカス清掃など世話が焼ける。でも機械いじりが好きならきっと楽しいだろうね。DG8はわずか6台しか作られていないが1台しっかり残っているし道路を走れるのがイギリス。
実はこれでもかなり小型化(ダウンサイジング)した蒸気機関であるはず。


1888年のドイツ製の直流モーターだ。古いのもびっくりだが全くよけいな振動なく動く職人の技にびっくり。2:50の音も今のモーターと変わりないと思ったらそう現代のラジコンのモーターと全く同じ仕組みなんだ。
昔は磁石が用意できなかったからでかい電磁石が巻いてあるが、現代だってまったく同じ仕組みのモーターが動かしている電車が現役だ。
100年以上前に完成した技術を置き換えるのが難しい一つの例なんだ。


これが今動作できる最も古い「ディーゼル」ドイツに保存されている。10000ccでわずか12馬力だが科学技術はなんでも最初なんてこんなもんだと捉えないといけない。
うまくやれば人力でスタートできる。そもそも空気をぺたんこに押しつぶすというのが異常に難しかったらしい。しかし発明者のルドルフ・ディーゼルは100年前からこれがカルノーサイクルに近い理想的なエンジンに必要なことだとわかっていた。
グランプリ出版の「名作珍作エンジン図鑑」に書いてあるのだが、ディーゼルは船や潜水艦にはもってこいだがなんと車や機関車に積むとたちまちエンストするあきらめの早いエンジンだったのだ!
それを有名なボッシュが高圧ポンプによる「燃料だけ直噴」を開発、さらに点火する空間をを分ける燃焼室の技術を買い取り1930年代にはトラックの動力にできるようになった。今では当たり前の技術だが、途中から加わったのである。
研究を重ねいまディーゼルは難しい癖をとっくに克服し乗用車にも積まれるなどさらに広まっている。
欧州でディーゼルの排ガス不正があり下火だが、実は乗用車のディーゼルは日本のマツダがトップの技術を持っている。
マツダはロータリーエンジンに取り組んだのが経験になったのか、いろいろと、電気自動車技術でも器用だ。


1932年建造のデンマークの発電所のディーゼルエンジンは30年間世界一の出力で、いまでも見学できるエンジンでは間違いなく世界一だろう。いまはDiesel Houseとして公開中。
ちなみにまったくの停電時から起動できるデンマークでも貴重な火力発電所でもある。


これが日本で最初の電話交換機。交換手が誰にかけるか聞いたあとにヘッドホンジャックの化物で相手の電話につなぐ
実はヘッドホンジャックというものがこの電話交換機の端子から来ているのだ。今でもDJがつけているヘッドホンの端子が何を隠そう電話交換機のジャックだ。


翻って日本は九州、門司に保存されているというクロスバー交換機
これ実はオンボロどころかかなり進化した交換機で、多数の接続を衝突なく管理し、電話料金の計算まで自動で行えるまさに「スーパーコンピュータ」だったそうだ!


電卓とそろばんの間に、忘れ去られた「タイガー計算機」が存在した。これは全部機械でできている。
ドラム機構があって歯車は少なくて済む、なるべく単純な仕組みにしてある。
複雑だが操作を覚えればいろいろな計算ができる。ルートだって計算できるらしい。
昔はこれを扱う計算掛けの仕事があって、右腕がつかれたらしい。computerとは計算掛け、職業の名前だったのだ。
なお昔から日本は計算するとか計算機を作るのが得意らしく、計算尺は日本製が世界に流通、タイガー計算機は日本製だし、電卓も日本が安く小型にしたし、フラッシュ暗算を子供の頃からできる、というのもそういないだろう。


アームトロンは腕ロボットだ。これだけのことができるおもちゃが昔あったのも驚きだが
なんとこいつのモーターは一つしかない。昔はモーターというものが高価だったが
巧妙な歯車の仕掛けによって一つのモーターでいろいろな動きを同時に操作できる、機械仕掛けの真骨頂だ。
今イーケイジャパンからでている似たような組み立てキットはすべて関節全てにモーターが入っている。



ARROWSやFMVで有名な富士通だが最初はこのようなコンピューターを作った。スマホと大きさが全然違う。しかも電磁石スイッチで動いていてまあ自動そろばんみたいなものだが、こんなのが日本の発展に尽くした。
設計リーダーの池田敏雄さんの伝説が本になったり、プロジェクトXで語られている。勤務態度やそのずば抜けたひらめきからして彼こそは日本初のハッカーだ。
当時のかたい日本のしきたりの中で富士通はなるべく彼のやりたい放題にさせて、NASAにスーパーコンピュータを納入するまでになった。
そこで、現地の空港でNASAの担当者と握手したら倒れたという伝説は俺の記憶違いだったかな?
本当なら日本からIT技術が出てこないように、常に工作している、あの国の影は昔からあったとしか思えない。
池田敏雄の実績はまさにこれが今沼津の富士通工場で動態保存されていることがあかしだ。
一度ハッカーを雇えたのだから今富士通にもう一回ぶっ飛んだことをやってもらいたいものだ。


80年台の携帯電話のCM げっっやたらでかいじゃないの 昔の無線機と携帯電話は大した違いがなかった。しかも電話しかできない。
そしてこんな機械をとってもかっこいいというイメージで宣伝する。なんでも最新のテクノロジーはかっこいいが、やがて当たり前になり、ついには過去のものになってしまうものだ。

Wintergatan - YouTube
英語がわかる人はWintergatan、パチンコ玉で演奏する機械 ザ・マーブルマシン の有名な動画を作った人物のチャンネルで、
オランダのオルゴール博物館を一緒にめぐろう。
自動オーケストラ装置(バイオリンが3台入っている)
巨大オーケストラ装置(楽器がたくさん入っていて、MIDI入力を受け付ける改造が入っている)
ピアノカラオケマシン(足で踏むだけでピアノの伴奏がなり、歌詞も読める テンポも狂いなし)
チャペルのし掛け(定刻の自動演奏と鍵盤もある。演奏者に聞こえないがみんなには聞こえる音とは?独特の演奏技術が必要)
コインを入れ自分で選んだ曲がなるオルゴールボックス(ディスクの自動ローディングができる。つまりジュークボックスが真似をした機械)
自動ピアノの音を超越し、すでに死んでいるような作曲家の演奏を目の前で再現してくれるスタンウェイの「デュオ・アート 再現ピアノ」
などどれも穴開き紙テープなどを読み込んでプログラムしたとおり演奏するので、100年前の機械というよりやはりコンピューターのできる20年前の機械だと捉えるべきだ。
なおオルゴール博物館は日本でもB級観光スポットとしていろいろなところにある。もちろん自動オーケストラも自動ピアノもおいてあるはず


世界遺産、富岡製糸場の蒸気機関を復元したもの。なんでこれを一番後ろに持ってきたのかというと、
これ復元にしてはなんかおかしい。だってシリンダーが往復するたびに鳴くなんて海外のどの蒸気機関や機関車の動画でもありえない。でも鳴かない時があるから運転の問題かもしれない。
おそらくよくできた蒸気機関はシリンダーが僅かに樽型になっているのではないのか。
ああ、素晴らしい日本のテクノロジーの始点がここにあったのだと訪ねてきた欧米の技師たちに馬鹿にされるでしょう。
よく聞いたら富岡の町工場製だそうで、蒸気機関のノウハウが残っているのかいまいち。
福島の協三工業はつい2年前に蒸気機関車を作ったばかりなので(もちろん初めから静か)そこに頼めばよかったはず。
これだから日本は技術遺産を軽く見ているんだ。

またゲームもファミコンからSwitchやPS4までの進化はみんなよく知っているだろう。昔のゲームが何気に面白いのも知っているだろう。

で、なおバカにする人にはまず鉄腕ダッシュを見てもらわないといけない。何もないところから何かを作るのは相当に大変で、
何かできても上にあるようなものしか最初には作れないはずなんだ。
そこから這い上がってきたもう一つの人類史から目をそらしてはいけない。スマホはただそこにあるものではない。
そしてなぜか日本ではそういった歴史の証拠は目を向けられず、捨てられる傾向にある。日本で昔のエンジンは人手で運べる小型の焼玉エンジンだけが多く残っている。
しかしわかりやすい機械というのはまず昔のものしかない。昔のものから勉強しないと、これからの技術は作れない。
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